
2025年にアメリカのトランプ大統領が発動した相互関税。
これにより世界中で混乱が巻き起こっており、毎日のようにニュースで「関税」というワードを耳にしますよね。
でも皆さんの中には、
「そもそも関税って何?」
「関税にはどんな目的があるの?」
なんて疑問を持っている方に向けて、できるだけ簡単に分かりやすく「関税」について解説していきたいと思います。
※サクッと要点だけ押さえたい方は目次から「関税についてまとめ。」へジャンプしてください。
そもそも関税って?
関税とは、輸入品に掛かる税金のこと。
まず初めに、そもそも関税とは何かについて解説します。
見出しにあるように関税とは、一言で言ってしまえば外国から輸入したモノに掛かる税金のことです。モノによって関税のかかるもの(有税品)かからないもの(無税品)はありますが、食料、資源、衣料品から医薬品などさまざまな輸入品に関税が課せられています。

関税の種類
ひと言で関税と言ってもたくさんの種類があります。
大きく分けると、法律で決められている関税(国定税率)と条約で決められている関税(協定税率・EPA税率)があります。さらに細かく分けると、冒頭で触れた2025年にトランプ大統領が発動した相互関税は、自国と相手国の負担が対等になるように関税をかけるものです。
他にも、輸入品の価格に対して一定の税率をかける従価税や数量に応じて関税を掛ける従量税、特定の国のモノにのみ関税がかかる特恵関税や、関係の悪い他国に対して経済制裁などを行う手段としての制裁関税などがあり、まだまだ他にも差額関税、スライド関税、季節関税、特殊関税・・・などなど説明しきれないほどたくさんの種類があります。
そんなさまざまな種類がある関税ですが、目的としては大きく分けて次の3つがあります。
関税の目的って?
関税の3つの目的。
1.国内産業の保護
2.国家財政の収入源
3.貿易政策の手段
それぞれを簡単に説明すると、
1.国内産業の保護
安い外国製品が大量に輸入されると、国内企業の製品が価格競争に勝てずに衰退してしまいます。それを防ぐために外国製品に関税をかけて価格を調整することで国内企業を守る目的があります。
2.政府の収入源
これは消費税や所得税などの他のさまざまな税金と同じように、国家財政の収入源という目的があります。発展途上国では関税が国家財政の多くを占めている国もあります。
3.貿易交渉の手段
他国との貿易交渉の道具として関税が使われる場合もあります。
例えば、他国に対して関税をかけたり税率を調整することで貿易交渉を有利に進めたり、関係が悪化した他国に対して高い関税を掛けて輸入を抑え、いわゆる経済制裁のような目的で使用されることもあります。

関税は誰が払うの?
関税を支払うのは輸入者。ただし…。
関税は、基本的には輸入者(企業や個人)に支払う義務があります。
ただし、輸入者が支払った関税は市場に流通される際に加算されます。そのため、事実上関税を支払っているのは輸入品を購入した消費者になります。例えば、輸入品が小売店に届いた時点で関税分の価格が上乗せされており、消費者は「商品の値段+関税」を支払って購入するということになります。
関税についてまとめ。
これまで解説してきた内容を、要点だけ押さえて簡潔にまとめます。
1.関税とは、外国から輸入したモノにかかる税金のこと。
(ただしモノによって関税がかからないモノや税率の違いがある)
2.関税の種類は大きく分けて2つ。
(法律で決められている国定税率と条約で決められている協定税率・EPA税率)
3.関税の目的は主に3つ。
(国内産業の保護・国家財政の収入源・貿易政策の手段)
4.関税を支払うのは輸入者。
(しかし事実上負担しているのは消費者)
さいごに
今回の記事では関税について簡単に解説してみました。
我々消費者としては関税なんて無いほうが海外の製品が安く買えていいのに~なんて思ってしまいそうになりますが、それでは国内の企業や産業が衰退してしまい、自国の経済にも悪影響を及ぼしてしまうので結果自分たちの首を絞めてしまうことになるんですね。
とはいえ、たくさん輸入してほしい、関税を下げてどんどん買ってほしいと要求してくる貿易相手国のことも、関係を悪くしたくないから無下にはできない…そんな駆け引きが各国と繰り広げられているわけです。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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